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凝固点降下
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植物の細胞は、冬でも凍らないような仕組みをもっている。また、自動車のエンジンの冷却に用いる
液体は「不凍液」といわれる。なぜ凍らないのだろうか。
準備:ビーカー(500ml)、試験管(φ30mm)3本、試験管立て、ホールピペット(10ml)、ゴム栓、
温度計(0.1℃目盛り)、攪拌棒、秒針付き時計、電子秤、氷、純水、寒剤用粗製食塩、
塩化ナトリウム(NaCl)、尿素((NH2)2CO)
操作:
1.
500mlビーカーに氷を入れ、粗製食塩を加えて寒剤をつくっておく。
2.
試験管に、ホールピペットで純水10mlを取る。
3.
試験管に温度計と攪拌棒を付けたゴム栓をし、寒剤を入れたビーカーに浸ける。
4.
時々攪拌棒でかき混ぜながら、15秒毎に温度を測定する。
5℃まで下がってから記録をとり始める。
5.
4回連続して(1分間)同じ温度が続いたら測定を終了する。
6.
別の試験管にホールピペットで純水10mlを取り、尿素の質量(約0.3g)を正確に測定して
加え、よく溶かす。
7.
操作3〜5と同様に温度の測定をする。
8.
別の試験管に純水10mlを取り、塩化ナトリウムの質量(約0.3g)を正確に測定して加え、
よく溶かす。
9.
操作3〜5と同様に温度を測定する。
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結果: 尿素の質量 W1 = 0.31 g 塩化ナトリウムの質量 W2 = 0.29 g
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考察:
記録をもとにグラフを作り、グラフから各溶液の凝固点を求める(上図)。
純水 T0 = −0.1℃ 尿素水溶液 T1
= −1.1℃ 塩化ナトリウム水溶液 T2 = −2.3
℃
過冷却になる場合もあるので、最も低い温度が凝固点ではない。過冷却前のグラフと、過冷却
後のグラフの延長線との交点が凝固点になる。
1.
溶かした質量から、尿素水溶液と塩化ナトリウム水溶液それぞれの質量モル濃度を求めなさい。
尿素 (NH2)2)CO = 60 物質量:n
= w/M =
0.31 / 60 = 0.00516
(mol)
溶かした水は 10ml (10 g) 質量モル濃度:C = 0.0052 (mol) /
0.010 (kg) =
0.52 0.52 mol / kg
塩化ナトリウム NaCl =
58.5
物質量:n = w/M = 0.29 / 58.5 =
0.00495 (mol)
質量モル濃度:C
= 0.0050 (mol) / 0.010 (kg) =
0.50 0.50 mol / kg
2.
尿素水溶液と塩化ナトリウム水溶液の質量モル濃度はほぼ同じなのに、凝固点の違いが大きい
のはなぜか。
塩化ナトリウムは電解質なので、水溶液中でNa+とCl-に電離して粒子の数が増加する(約2倍)。
その分、非電解質の尿素より凝固点降下が大きく、凝固点は低くなる。
3.
凝固点降下から、尿素と塩化ナトリウムそれぞれの分子量・式量を求めなさい。
水のモル凝固点降下は 1.86 ( K・kg/mol
)である。凝固点降下は溶液の凝固点から水の凝固点を引いた値になる。
尿素 1.1−0.1 =
1.0 1.0 / 1.86 = 0.537 ( mol/kg )
0.31(
g ) / ( 0.54×10/1000 ) ( mol ) =
57.4
57.4
塩化ナトリウム 2.2−0.1 = 2.1 2.1 / ( 1.86×2 ) = 0.54 ( mol/kg
)
0.29 ( g ) / ( 0.56×10/1000 ) ( mol ) =
51.8
51.8
水溶液はその質量モル濃度に比例して凝固点が低くなる。濃い溶液ほど低温でも凍りにくくなっている。
植物は細胞内に糖類などを溶かし込んでいるので気温が零下でも凍りにくい。また、自動車の冷却
水はエチレングリコールを溶かして、冬でも凍ることを防いでいる。
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