HM/HR(ヘビーメタル/ハードロック)について
 一言でHM/HRといっても、NWOBHM(ニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘビー・メタル)・LAメタル・ジャーマンメタル・北欧メタルなどといった地域的・時代的な特徴による分類から、産業系・AOR系・パワーポップ・様式美メタル・デス・スラッシュ等々、この分野ならではのサウンド・スタイルにこだわった分類まで、実に様々な音楽がここには存在します。他の多くのジャンルの画一的なアレンジとは異なり、バンド(または個人)の個性が如実に反映されたアレンジ、サウンドに出会えるのがこのHM/HRの大きな特徴ではないでしょうか。
 そして、そのファンも耳の肥えた人が多いようで、決して売れてるから聴くのではなく、自分がそのサウンドを求めているから聴くというこだわりがとても強いようです。本国では全く相手にされないバンドが日本だけでは売れるという現象がHM/HRでとても多いのは、そんな理由からではないでしょうか。
 私は「すべての音楽はメロディが命」であると思っています。したがってHM/HRでは様式美メタルや北欧メタルなどの美旋律系メタルを中心に聴いています。この手のアーティストにはクラシックあがりの人が多く、それだけにメロディ・曲の展開ともに練られたものが多く、時折鳥肌がたつような感動を与えてくれます。
 ここで紹介するアルバムは、そんな私の趣向にそったものであります。


No.1  アニマルズ・ウィズ・ヒューマン・インテリジェンス / イナフ・ズナフ

Right By Your Side 

オアシスでは物足りないという人に・・・

 ブリティッシュロックをベースにし、上質のポップセンスをもったハードロックンロールバンドであるイナフ・ズナフ。メタル版ビートルズとも言われる。
 彼らの3rdアルバムとなる本作は、アメリカのバンドでありながら、イギリスの音楽専門誌で最高得点を獲得、絶賛されたアルバムである。このアルバムのために45曲を録音し、その中から13曲を厳選しただけあって、全ての楽曲が極めてクオリティが高く捨て曲がない。
 エアロスミスのジョー・ペリーがほれ込んだだけあって演奏もアレンジも絶品。同じビートルズ系(というよりジョン・レノン系)でも、一般受けするオアシスに対して、ヘビメタマニアやクロウト受けするバンドである。
 日本では未だ正当な評価は与えられていないのが、とても残念である。

No.2  オデッセイ / イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース

Rising Force 

極上の哀愁メロディーと最高のボーカル・・・

 イングヴェイは好き嫌いが大きく分かれるギタリストであるが、最高のテクニックは多くのミュージシャンが認めるところだし、最近のネオクラシカル系のギタリストは全て彼を手本にしているといっても過言ではない。
 個人的には、彼のギターはそんなに好きではないが、やはりそのうまさには圧倒される。しかし、本作ではギタリストとしてよりもコンポーザーとしての才能に驚かされる。北欧独特のたっぷり哀愁のつまったメロディーと繊細なアレンジ。
 そして、この手の曲を唄わせたら右に出る者はいない最高のボーカリスト、J.L.ターナーがその実力をいかんなく発揮。イングヴェイのギターもかすんでしまうほどのうまさには言葉を失う!!また、現在メタル界屈指のキーボード奏者ともいわれるJ.ヨハンソンの演奏も見逃せない。
 このビッグメンバーでのスタジオ録音がこの1枚で終わってしまったのはとても残念。

No.3  タイム・オブ・ジ・オウス / ハロウィン

Power 

スピード、パワー、メロディー、そして泣きのツインギター・・・

 ロック界には2大スターを有するバンドは数多い。特にヘビーメタルバンドでは、ギタリスとボーカルがバンドの生命線を握ることが多く、必然的に、そこに多くのスターが誕生する。
 本作は、ギタリストとボーカルの2大スターが脱退して瀕死状態かと思われたハロウィンが放った起死回生の一発である。
 特にジャーマンメタル最高のボーカリストM.キスクの抜けた穴は大きいとみられていたが、後任のA.デリスが、うまさは及ばずともその差を補って余りある楽曲を提供、バンド一体となって、それまでの最高傑作『守護神伝』をも上回る作品になった。
 まさにキャッチフレーズ通り、スピード、パワー、メロディーの3拍子が揃い、さらにツインリードギター炸裂!と聴きどころ満載。中でも『パワー』は絶品で、そのギターの泣きと美しいメロディー、疾走するリズム感は、何度も私の体に電気を走らせてくれる。


順位 ジャケット タイトル アーティスト 独 断 解 説
孤高のストレンジャー レインボー 復活レインボーの傑作。『ブラック・マスカレード』は最高!やっぱりギターはリッチーだよなぁ。(御大、こんな順位ですみません!)
フェア・ウォーニング フェア・ウォーニング 最新作(’97)がヘビメタ専門誌BURN!で98点と評されたドイツのハードロック。楽曲の素晴らしさは、このデビュー作のほうが数段上。
幻想交響詩 ヨーロッパ スウェーデンの元祖北欧メタル。北欧メタルはこのアルバムから始まったとさえいわれる。『セブン・ドアーズ・ホテル』は名曲中の名曲。
パラドックス ロイヤル・ハント デンマークの様式美メタル。クラシック音楽をベースにし、キーボード主体の荘厳なアレンジと重厚なサウンド。
エピソード ストラトヴァリウス フィンランドの様式美メタル。相次ぐメンバー補強で一流バンドに成長。ジャーマンメタルタイプの疾走チューンが最もお勧め。
レッド・ホット&ヘヴィ プリティ・メイズ ヨーロッパとともに北欧メタルを支えたデンマークのビッグバンド。軽快なツインリードギターと様式美が堪能できる。
10 ザ・ワン ミカエル・アーランドソン スウェーデンのAOR系ハードポップ。泣きたっぷりの哀愁のメロディー満載。どうしてこんなにいい曲書けるの?
11 ウィズアウト・リモース ネイション ネオクラシカル・ギタリストを中心に、かつてのイングヴェイのようなスリリングなサウンドを聴かせてくれる。次作以降に大きな期待。
12 ディジー・ミズ・リジー ディジー・ミズ・リジー ビートルズ、特にP.マッカートニーからの影響が大で、甘くせつないメロディーをタイトに決めるデンマークのハードポップ。残念ながら今は解散。
13 ニュージャージー ボン・ジョヴィ 『ワイルド・イン・ザ・ストリート』をさらにスケールアップ。リードギタリストの方が唄がめっぽううまいのに、決してこのバンドでは唄わないところがおもしろい。
14 パーマネント・バケーション エアロスミス 言わずと知れたアメリカンハードロックバンドの、復活後の成功を確定的にしたアルバム。凝った作りの最近のアルバムよりはシンプルなこの音の方が私は好きです。
15 リーン・イントゥー・イット ミスター・ビッグ ソウルフルなボーカルと演奏は超一流。日本ではボン・ジョヴィと並ぶビッグな人気だが、本作以降は精彩なし。今はR.コッツェン加入で再起を期すが・・。
16 アペタイト・フォー・ディストラクション ガンズ・アンド・ローゼス エアロスミス系悪がきバンドの一大出世作。そのアクの強さは痛快そのもの。今は全員解雇ということで・・・寂しい限りです。('99復活したもよう・・)
17 グレイト・レイディオ・コントラヴァ−シ− テスラ ブルースをベースとしたアメリカの正統派ハードロックバンド。聴けば聴くほど味の出るアルバム。残念ながら今は解散。
18 アンダー・ロック・アンド・キー ドッケン キャッチーで繊細なメロディーと、ハーモニーの美しさが売り物のドッケンの最高傑作アルバム。
19 サーペンス・アルパス ホワイト・スネーク 元ディープ・パープルのデヴィッド・カヴァデールの情感豊かなボーカルが冴えるブルーズフィーリングたっぷりのアルバム。
20 マキシマム・セキュリティー トニー・マカパイン キーボーディスト兼超絶テクニック・ギタリストというおそるべき天才のギターを中心としたインストルメンタル・アルバム。まったく飽きさせない演奏とメロディー。
次点 ミッドナイトサン、ラプソディ、ノクターナルライツ、TNT、クロックワイズ、アングラ、コンチェルトムーン、ジーノ、ヘブンズ・ゲイト,テラノバ、テン、プレイング・マンティス、デフ・レパード


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